Nearer, My God, to Thee /主よ御許に近づかん
心に沁みる讃美歌の名曲
“Nearer, My God, to Thee”(日本語訳:主よ御許に近づかん)は、19世紀の中頃に作られたキリスト教の讃美歌で、サラ・フラワー・アダムスによって作詞され、彼女の姉妹であるエリザ・フラワーによって作曲されました。この讃美歌は、創世記28章11-19節に記されているヤコブの夢の物語にインスピレーションを得ています。この聖書の箇所では、ヤコブが石を枕にして眠り、天と地をつなぐはしごを見る夢を見ます。このはしごは、神と人間との間のつながりを象徴していると考えられています。
この讃美歌は、主に近づくこと、つまり霊的な高みへの願望を表現しています。歌詞は、信者が神の許に近づきたいという深い願いを述べており、天と地をつなぐ象徴的なはしごを通じて神への近さを求めています。この讃美歌は、多くのキリスト教徒にとって、信仰における向上心と神への愛を表現する強力な方法となっています。
“Nearer, My God, to Thee”は、特にタイタニック号沈没時に演奏されたという伝説的なエピソードで有名です。1912年のタイタニック号沈没の際、バンドがこの曲を演奏していたと言われています。この話は、後世にこの讃美歌を象徴的なものとし、多くの人々に深い感動を与えました。
また、この讃美歌は、数多くのアーティストによって録音されており、多様な音楽的アレンジが施されています。それにより、この古典的な讃美歌は、幅広い聴衆に愛され続けています。教会や宗教的な集会だけでなく、文化的な場面でもしばしば演奏され、その美しいメロディと感動的な歌詞は、多くの人々の心を捉えて離しません。
“Nearer, My God, to Thee”は、キリスト教音楽の中でも特に感動的で象徴的な曲の一つとして、世界中の多くの人々に愛され続けている讃美歌です。その歌詞とメロディーは、信仰と希望、神への愛という普遍的なテーマを表現しており、時代を超えて多くの人々に影響を与えています。
無理矢理 歌詞解説(和訳)
この歌詞解説は、「こう解釈すべきだ」というようなものではなく、BEE校長が長年の興味として行っている 1行ごとに聖句に照らし合わせてみたら、そこには個別の意味が存在するんじゃないかという「検証」です。 これによりサティマイのメンバーさんが曲を歌う時の「景色」や「色」に繋がればいいなと思い書いています。
1. Nearer, my God, to thee, Nearer to thee!
主よ、もっと近くに、あなたに近くに!
ヤコブの手紙 4:8 「神に近づきなさい。そうすれば神もあなたがたに近づいてくださる。」
この歌詞は、神にもっと近づきたいという願いを表現しています。ヤコブの手紙4章8節では、信者が神に近づくことによって、神もまた信者に近づくと教えられています。これは、信仰生活において神との関係を深めることの重要性を示しています。
E’en though it be a cross That raiseth me.
たとえそれが私を高める十字架であっても。
マタイによる福音書 16:24 「イエスは弟子たちに言われた。『わたしに従いたい者は、自分を捨て、自分の十字架を背負ってわたしに従いなさい。』」
ここでの「十字架」は、キリスト教において苦難や試練を象徴しています。マタイによる福音書16章24節は、キリストに従うためには個人的な犠牲や苦難を受け入れる必要があることを教えています。この歌詞は、たとえ困難があっても、それを通じて神に近づくことの意義を表現しています。
Still all my song shall be Nearer, my God, to thee, Nearer, my God, to thee, Nearer to thee!
それでも私の歌はすべて、主よ、もっと近くに、あなたに近くに、もっと近くに!
詩篇 73:28 「しかし、神に近いことが私にとって良いことです。主なる神を私の避け所とし、あなたのすべての業を宣べ伝えます。」
試練や苦難にもかかわらず、神への愛と信仰を歌で表現する決意を示しています。詩篇73篇28節は、神に近づくことが最善であるとし、神を避け所とすることの価値を述べています。これは、どんな状況でも神への愛と信頼を保つことの重要性を強調しています。
2. Though like the wanderer, The sun gone down,
さすらい人のように、太陽が沈んでも、
詩篇 102:6-7 「わたしは荒野のペリカンのよう、荒れた所のふくろうのようになりました。わたしは目を覚ましている、屋根の上の孤独な鳥のようです。」
この歌詞は、孤独や暗闇の中でも、さすらいながら神に近づこうとする心情を表現しています。詩篇102篇6-7節は、孤独と苦悩の中での祈りを描写しており、信者が困難な状況でも神を求め続けることを示唆しています。
Darkness be over me, My rest a stone,
暗闇が私を覆い、休息が石のようでも、
ヨブ記 19:26 「この体が朽ち果てた後でも、私は肉なしで神を見るでしょう。」
ここでは、困難や試練の中での休息が困難である状況が表されています。ヨブ記19章26節では、ヨブが苦難に直面しても、最終的には神を見ることができるという確信を語っており、苦難を超えた信仰の強さを示しています。
Yet in my dreams I’d be Nearer, my God, to thee, Nearer, my God, to thee, Nearer to thee!
それでも私の夢の中で、主よ、もっと近くに、あなたに近くに、もっと近くに!
詩篇 63:6-7 「私が横になっている時、あなたを思い、夜間の番をしている間中、あなたについて考えます。あなたは私の助けとなり、あなたの翼の陰で私は喜び歌います。」
この部分は、夢の中でも神に近づく願いを表しています。詩篇63篇6-7節では、夜間、神について深く考え、神の保護のもとで喜び歌う心情が描かれています。これは、信者が日々の生活の中で、そして夢の中でも神との関係を求め続けることを示しています。
3. There let the way appear, Steps unto heav’n;
そこに道が現れますように、天国への階段を;
ヨハネによる福音書 14:6 「イエスは言われた、『私は道であり、真理であり、命である。私を通らなければ、だれも父のもとに来ることはできない。』」
この歌詞は、天への道、すなわち永遠の命への道が示されることを願っています。ヨハネによる福音書14章6節では、イエス・キリストが自らを「道」と称し、彼を通じてのみ神のもとへ行く道が開かれると教えています。これは、信仰を通じて永遠の命への道が示されることを示唆しています。
All that thou sendest me, In mercy giv’n;
あなたが私に与えてくださる全ては、慈悲による恵みで;
ヤコブの手紙 1:17 「あらゆる良い贈り物、あらゆる完全な贈り物は上から、光の父から私たちに下ってくるもので、彼には変わる影もない。」
解説: この部分では、神からのすべてのものが慈悲による恵みとして与えられることが述べられています。ヤコブの手紙1章17節は、神からの贈り物が常に善であることを教えており、神の一貫した性質と慈悲を強調しています。
Angels to beckon me Nearer, my God, to thee, Nearer, my God, to thee, Nearer to thee!
天使たちが私を手招きして、主よ、もっと近くに、あなたに近くに、もっと近くに!
ルカによる福音書 16:22「貧しい人は死んで、天使たちによってアブラハムのふところに運ばれた。」
この歌詞は、天使たちが信者を神に近づける役割を果たすという考えを表しています。ルカによる福音書16章22節では、貧しい人が死後、天使たちによって天国に運ばれる様子が描かれており、天使たちが天国への道案内役を担うことが示されています。これは、信者が神に近づく過程で天使たちの導きを受けることを意味しています。
4. Then with my waking thoughts Bright with thy praise,
そうして私の目覚めの思いは、あなたの賛美で明るく、
詩篇 5:3 「主よ、朝には私の声を聞いてください。朝には私は祈りをささげ、待ち望みます。」
解説: この歌詞は、目覚めの瞬間から神への賛美で心が満たされることを表現しています。詩篇5篇3節では、朝の祈りの時間が強調され、新しい一日が神への祈りと待ち望みで始まることが述べられています。これは、日々を神の賛美で始めることの重要性を示しています。
Out of my stony griefs Bethel I’ll raise;
私の石のような悲しみから、ベテルを築きます;
創世記 28:18-19「ヤコブは朝早く起きて、自分の枕としていた石を取り、立てて柱にし、その上に油を注いだ。彼はその場所をベテルと名づけた。」
ここでの「ベテルを築く」とは、困難や悲しみの中からも、神を記念する場所や瞬間を作り出すことを意味しています。創世記28章18-19節では、ヤコブが夢を見た場所に柱を立て、その場所をベテル(神の家)と名付けたことが語られています。この行為は、苦しい状況の中でも神への信仰を表明する象徴です。
So by my woes to be Nearer, my God, to thee, Nearer, my God, to thee, Nearer to thee!
そうして私の悩みによって、主よ、もっと近くに、あなたに近くに、もっと近くに!
ローマ人への手紙 5:3-4「そして、わたしたちは悩みも誇ります。知っているとおり、悩みは忍耐を生み、忍耐は練達を生み、練達は希望を生みます。」
この歌詞は、悩みや困難を通じても神に近づくことを願っています。ローマ人への手紙5章3-4節は、悩みが忍耐、練達、そして最終的には希望を生み出すと教えています。これは、信者が試練を経験する中で、神との関係が深まることを示唆しています。
5. Or if, on joyful wing Cleaving the sky,
または、喜びに満ちた翼で空を裂いて、
イザヤ書 40:31 「しかし、主を待ち望む人たちは新たな力を得る。彼らは鷲のように翼を広げて上昇し、疲れることなく、弱ることなく進む。」
この歌詞は、神への喜びと信頼によって、霊的な高みへと昇る様子を表しています。イザヤ書40章31節では、神に対する信頼が新たな力を与え、鷲のように高く飛び上がることを可能にすると述べられています。これは、信仰による精神的な上昇と自由を象徴しています。
Sun, moon, and stars forgot, Upward I fly,
太陽も月も星も忘れ、上へと飛び立つ、
コロサイ人への手紙 3:1-2 「そこで、あなたがたはキリストと共によみがえったのですから、上にあるものを求めなさい。キリストは神の右に座しています。上にあるものを思い、地上のものを思うな。」
ここでは、物質的な世界や天体を超えて、霊的な高みを目指す様子が描かれています。コロサイ人への手紙3章1-2節は、信者に対し、地上のことではなく、神の御国に関することを求めるよう勧めています。これは、信仰生活において霊的な目標を優先することの重要性を示しています。
Still all my song shall be Nearer, my God, to thee, Nearer, my God, to thee, Nearer to thee!
それでも私の歌はすべて、主よ、もっと近くに、あなたに近くに、もっと近くに!
詩篇 73:28 「しかし、神に近いことが私にとって良いことです。主なる神を私の避け所とし、あなたのすべての業を宣べ伝えます。」
この部分は、どんな状況でも神に近づくことを願う心が歌に込められています。詩篇73篇28節は、神に近いことの価値を強調し、神を信者の避け所として、その業を宣べ伝えることの大切さを教えています。これは、信者の心が常に神に向かっていることを示しています。
投稿者
kingbee33@gmail.com