Oh Holy Night / Christmas Carol

「オー・ホーリー・ナイト」(原題:Cantique de Noël)は、イエス・キリストの誕生の夜についての聖歌で、第一節では「愛されし救世主」と表現されており、クリスマス・キャロルとして頻繁に演奏されます。
1843年末、フランスのロクマウールにある町の教会のオルガンが新しく改修されました。この改修を祝うため、教区の司祭は町出身の詩人プラシッド・カッポーにクリスマスの詩を書くよう依頼しました。カッポーの元の詩は「真夜中、クリスチャン、それは厳粛な時間だ」という一行から始まります。
同年、アドルフ・アダムがこの詩に音楽を付けました。この曲は1847年にロクマウールでオペラ歌手のエミリー・ローリーによって初演されました。
ユニテリアン派の牧師で音楽評論家、また「Dwight’s Journal of Music」の編集者であるジョン・サリバン・ドワイトは、1855年にこの曲を英語に翻訳しました。この英語版は、特にアメリカ北部で人気を博し、奴隷解放運動家たちに支持されました。「鎖は彼によって砕かれるだろう、奴隷は我々の兄弟だ、そして彼の名においてすべての抑圧が終わるだろう」という第三節が特に強く響きました。
歌詞和訳&聖書紹介

O holy night, the stars are brightly shining;
おお聖なる夜よ、星々が輝いている
It is the night of the dear Saviour’s birth.
愛する救い主の誕生の夜なのです
Long lay the world in sin and error pining,
罪と過ちの中で世界は長く苦しんできた
Till He appeared and the soul felt its worth.
彼が現れるまでは、魂はその価値を感じられなかった
ルカの福音書 2:11 (Luke 2:11)
For unto you is born this day in the city of David a Saviour, which is Christ the Lord.
「今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになりました。この方こそ主キリストです。」
ローマ人への手紙 5:8 (Romans 5:8)
But God demonstrates his own love for us in this: While we were still sinners, Christ died for us.
「しかし、私たちがまだ罪人であったときに、キリストが私たちのために死んでくださったことにより、神はご自身の愛を示されました。」
この歌詞は、キリストの誕生がもたらす「希望」と「価値」に焦点を当てています。罪の中で迷っていた世界が、救い主であるイエスの到来によって「魂の価値」を初めて知る――これは、私たち一人ひとりの存在が決して無意味ではないことを教えています。ルカの福音書にある通り、救い主の誕生は喜びの知らせであり、神が私たちを深く愛している証です。また、ローマ書は、イエスが私たちのために命を捧げたことで、その愛がどれほど深いかを示しています。
苦しみの中にあっても、この歌が伝えるメッセージは心に平安をもたらします。イエスの誕生は、私たちがどんな時も価値ある存在であることを思い出させ、光と希望をもたらしてくれるのです。
A thrill of hope, the weary world rejoices,
希望のときめきに、疲れ果てた世界が喜びに満ちる
For yonder breaks a new and glorious morn!
遠くに新たな栄光の朝が輝き始めるから
Fall on your knees! O hear the angel voices!
ひざまずきなさい!天使たちの声を聞いて!
O night divine, O night when Christ was born!
神聖な夜、キリストがお生まれになった夜!
O night divine! O night, O night divine!
神聖な夜、ああ、神聖な夜!
ルカの福音書 2:13-14 (Luke 2:13-14)
And suddenly there was with the angel a multitude of the heavenly host praising God, and saying, “Glory to God in the highest, and on earth peace, good will toward men.”
「すると、たちまちおびただしい天の軍勢が、御使いと共に現れ、神を賛美して言った。『いと高きところでは、神に栄光があるように。地の上では、御心にかなう人々に平和があるように。』」
イザヤ書 9:2 (Isaiah 9:2)
The people walking in darkness have seen a great light; on those living in the land of deep darkness a light has dawned.
「暗闇の中を歩む民は大いなる光を見た。死の陰の地に住んでいた者の上に光が照った。」
この部分は、キリストの誕生が「希望」という光をもたらし、長い間疲れ果てていた世界を喜びで包む瞬間を表現しています。天使たちが人々に平和と喜びを告げる場面は、まさに天と地がひとつになるような神聖な出来事です。
イザヤ書の預言が成就し、闇の中をさまよっていた人々に光が差し込む――これは、新しい始まりを意味しています。どれだけ苦しい状況にあっても、新たな朝が必ず訪れます。
この「ひざまずきなさい」というフレーズは、神の愛と恵みに対する感謝と畏敬を表すものです。疲れた心が希望を見出し、再び歩き出せるように、キリストの誕生の夜は私たちに力を与えてくれます。この神聖な夜を思うことで、私たちもまた喜びと平安を見つけられるのです。
Truly He taught us to love one another;
確かに、彼は私たちに互いに愛し合うことを教えてくださいました
His law is love and His gospel is peace.
彼の律法は愛であり、彼の福音は平和です
Chains shall He break, for the slave is our brother;
彼は鎖を断ち切り、奴隷も私たちの兄弟とされます
And in His name all oppression shall cease.
彼の御名によって、あらゆる抑圧は終わるのです
Sweet hymns of joy in grateful chorus raise we;
喜びの賛美歌を感謝の心で歌い上げましょう
Let all within us praise His holy name.
私たちの心のすべてで、彼の聖なる御名を讃えましょう
Christ is the Lord! Then ever, ever praise we!
キリストは主です!永遠に讃え続けましょう!
His power and glory evermore proclaim!
その力と栄光をいつまでも宣べ伝えましょう!
His power and glory evermore proclaim!
その力と栄光をいつまでも宣べ伝えましょう!
ヨハネの福音書 13:34 (John 13:34)
A new commandment I give to you, that you love one another: just as I have loved you, you also are to love one another.
「私はあなたがたに新しい戒めを与えます。互いに愛し合いなさい。私があなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。」
ガラテヤ人への手紙 3:28 (Galatians 3:28)
There is neither Jew nor Greek, there is neither slave nor free, there is no male and female, for you are all one in Christ Jesus.
「ユダヤ人もギリシア人もなく、奴隷も自由人もなく、男と女もありません。あなたがたはみな、キリスト・イエスにあって一つなのです。」
この歌詞は、イエス・キリストが私たちに示された「愛」と「平和」のメッセージを強調しています。ヨハネの福音書にあるように、互いに愛し合うことが彼の教えの核心です。この愛は境界を越え、私たち全員が神の家族としてつながっていることを示しています。
ガラテヤ書にあるように、キリストの中ではもはや身分や性別、国籍に関わらず、すべての人が平等です。「奴隷も兄弟」とされるフレーズは、イエスが持っていた社会変革の力を表し、彼の名によって抑圧は終わり、真の平和がもたらされる希望が語られています。
私たちが喜びの賛美を捧げることで、神の栄光と力はより大きく宣べ伝えられます。苦しみや抑圧があるこの世界の中でも、キリストの愛と平和の力を信じ続けることが大切です。彼の力は私たちを支え、希望をもって歩む力を与えてくれるのです。

投稿者
kingbee33@gmail.com
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