大人の為の部活系ゴスペルSatisfy My Soul(サティマイ)です。大阪中津・豊中・神戸元町・京都・博多天神・東京高田馬場・名古屋で練習しています♪

Take my hand, Precious Lord / プレシャス・ロード

ゴスペル・スタディ

深い悲しみの中に生まれた名曲

「Take My Hand, Precious Lord」は、トーマス・A・ドーシーによって作られたゴスペルソングです。この歌は1932年に書かれ、ゴスペル音楽の中でも非常に影響力のある曲とされています。トーマス・ドーシーがこの歌を書いた背景には、深い個人的な悲しみがありました。

ドーシーは、この曲を書く少し前に、人生で非常に困難な時期を経験しました。彼の妻、ネッティは1932年に第一子を出産中に亡くなり、その赤ちゃんも生後数日で亡くなりました。ドーシーはこの時ツアー中であり、家族を失ったという知らせを受けた時には遠く離れた場所にいました。帰ってからも悲しみに打ちひしがれる彼が「Oh, Lord !」とこの深い悲しみと試練の意味を問うた時、たまたま彼を慰めに来ていた友人が「トーマス、こんな時だからこそ、あえて『Precious Lord(親愛なる主よ)と呼ぶんだ』と彼に言いました。ドーシーはこの言葉を受け止め、この曲の元となった賛美歌「Maitland」をベースに「Take My Hand, Precious Lord」という歌詞を書きました。

この曲は、失望と悲しみの中で神の導きを求める人々の心に響くメッセージを持っています。ドーシーの個人的な経験は、この歌が世界中の多くの人々にとって、困難な時期を乗り越える助けとなってきた理由の一つです。彼の失われた希望を神に委ね、導きを求める願いが、この歌を通して伝えられています。

トーマス・ドーシーが経験したこの悲しみは、彼の音楽と信仰の旅において重要な転換点となりました。彼は以降、ゴスペル音楽の「父」として知られるようになり、そのジャンルにおける多くの革新的な作品を残しました。

マヘリア・ジャクソンとキング牧師とPRECIOUS LORD

キング牧師とマヘリア・ジャクソンの関係は、公民権運動の中で深まりました。キング牧師は、マヘリアの歌から大きなインスピレーションを受け、彼女を運動の集会や行進でしばしば特別ゲストとして招きました。キング牧師の右腕であり、彼の死後、黒人人権運動の柱となったジェシー・ジャクソン師は、「マヘリア・ジャクソンはキング牧師に頼まれたら、まだまだ黒人に対する差別意識の強かった南部の奥地まで同行した。彼女の行動が公民権運動の力の源となった。」と語っています。マヘリアは、キング牧師の葬儀で「Precious Lord」を歌い、彼の生涯と運動への貢献を称えました。

この曲は、キング牧師にとっても個人的に重要な意味を持っていたと言われています。彼は生前、特に困難な時期には「Precious Lord」を歌うことで慰めを見出し、それが彼の精神的な支柱の一つであったと記録されています。マヘリア・ジャクソンとキング牧師の間には、ゴスペル音楽を通じて深い絆があり、それは彼らが共有した公民権への情熱と、アフリカ系アメリカ人コミュニティの精神的な力強さを象徴していました。

無理やり歌詞解説(和訳)

この歌詞解説は、「こう解釈すべきだ」というようなものではなく、BEE校長が長年の興味として行っている 1行ごとに聖句に照らし合わせてみたら、そこには個別の意味が存在するんじゃないかという「検証」です。 これによりサティマイのメンバーさんが曲を歌う時の「景色」や「色」に繋がればいいなと思い書いています。


“Precious Lord, take my hand Lead me on, let me stand”
「尊い主よ、私の手を取って 導いてください、立たせてください」

  • イザヤ書41章13節。「あなたを助けるあなたの神、主は言います。右の手を握る者、わたしがあなたに言います。恐れるな、わたしがあなたを助ける」。
  • この行は、人生の旅で神の導きと支援を求める信者の願いを表しています。神は信者の手を取り、困難を乗り越える力を与えてくれます。
  1. “I’m tired, I’m weak, I’m lone”
    「私は疲れて、弱く、孤独です」
    • マタイによる福音書11章28節。「疲れた人、重荷を負っている人は、すべて私のところに来なさい。私があなた方を休ませてあげます」。
    • この部分は、疲労感、弱さ、孤独を経験している信者が、慰めと休息を求めて神に近づくことを示しています。
  2. “Through the storm, through the night Lead me on to the light”
    「嵐を通して、夜を通して 光へと導いてください」
    • ヨハネによる福音書8章12節。「イエスはまた人々に語って言われた、『わたしは世の光である。わたしに従う者は、決して暗闇を歩まず、命の光を持つであろう』」。
    • この行は、人生の困難と暗闇の中で、イエス・キリストが光へと導いてくれることを信じる信者の願いを表しています。
  3. “Take my hand precious Lord, lead me home”
    「私の手を取ってください、尊い主よ、私を家に導いてください」
    • ヨハネによる福音書14章2-3節。「わたしの父の家には、多くの住まいがあります。…わたしが行って、あなたがたのために場所を用意すると、再び来て、あなたがたをわたしのもとに迎え入れます」。
    • この部分は、最終的な救いと天国への帰還を願う信者の心情を表しています。神は最終的に信者を永遠の家へと導いてくれます。
  1. “When my way grows drear precious Lord linger near”
    「私の道が暗くなるとき、尊い主よ、近くにいてください」
    • 詩篇23篇4節。「たといわたしが死の陰の谷を歩むとも、悪を恐れることはありません。あなたが共におられるからです」。
    • 人生が困難で暗い時でも、神がそばにいてくれるという信者の信頼を表しています。神の存在は、最も暗い時でも恐れを乗り越える力を与えます。
  2. “When my light is almost gone”
    「私の光がほとんど消え去ろうとしているとき」
    • ヨハネによる福音書1章5節。「その光は暗闇の中で輝いていますが、暗闇はそれを理解していません」。
    • この行は、人生の暗闇や絶望の中でも、イエス・キリストの光が希望を提供することを示しています。
  3. “Hear my cry, hear my call Hold my hand lest I fall”
    「私の叫びを聞いて、私の呼びかけを聞いて 私が転ばぬように私の手を握ってください」
    • 詩篇145篇18-19節。「主は、彼を呼ぶすべての者、心から彼を呼ぶすべての者に近い」。
    • 信者が困難な時に神に助けを求めると、神は彼らの叫びを聞き、支えてくれることを保証しています。
  4. “Take my hand precious Lord, lead me home”
    「私の手を取ってください、尊い主よ、私を家に導いてください」
    • ヨハネによる福音書14章2-3節。「わたしの父の家には、多くの住まいがあります。…わたしが行って、あなたがたのために場所を用意すると、再び来て、あなたがたをわたしのもとに迎え入れます」。
    • この部分は、信者がこの世の生活を終えた時、イエス・キリストが彼らを天国、永遠の家へと導くという信仰を表しています。
  1. “When the darkness appears and the night draws near And the day is past and gone”
    「暗闇が現れ、夜が近づき、日が過ぎ去ったとき」
    • 詩篇30篇5節。「夜もすがら泣きかたる者も、朝には喜びの声となる」。
    • この歌詞は、人生の暗い時期や困難な状況を通過する際の経験を描写していますが、詩篇は苦難の後には喜びが来ることを教えています。
  2. “At the river I stand Guide my feet, hold my hand”
    「川辺に立ち、私の足を導き、私の手を握ってください」
    • 詩篇23篇2節。「彼は私を静かな水辺に休ませ」。
    • 川はしばしば人生の旅や霊的な過渡期を象徴します。この行は、信者が人生の重要な段階で神の導きと保護を求めていることを示しています。
  3. “Take my hand precious Lord, lead me home”
    「私の手を取ってください、尊い主よ、私を家に導いてください」
    • ヨハネによる福音書14章2-3節。「わたしの父の家には、多くの住まいがあります…わたしはあなた方を迎えに行き、あなた方をわたしのもとに受け入れます」。
    • この部分は、信者がこの世の生活を終え、最終的には神のもと、永遠の家へと導かれることを願っていることを表しています。

人生の夜が訪れ、日が過ぎ去った時、信者が神への絶対的な信頼を持って、最終的な目的地である天国への導きを求めていることを強調しています。神は信者の足を導き、手を握って、安全に家へと導いてくれるという信仰が表現されています。