「習うことで、それは習慣となる」~教室で学ぶ継続の重要性~
1. はじめに
私たちの生活の中には、気づかないうちに形成されているさまざまな習慣があります。朝、目覚ましを止める手の動きや、コーヒーを淹れる順序、通勤のルート選びなど、私たちの日常は習慣の連続で成り立っています。そして、これらの習慣は私たちの人生に影響を与え、無意識のうちに私たちの行動や選択を形成しています。
同じように、音楽の世界でも習慣は大きな役割を果たしています。楽器を始めたばかりの頃は、指の動きや音符の読み取りに四苦八苦するかもしれません。しかし、日々の練習を重ねるうちに、ある日突然、楽器を弾く動作が自然と身体に染み込んでいることに気づくでしょう。これは、習慣化の力が働いている証拠です。
そこで、この記事では音楽学習と習慣の不思議な関係に焦点を当てて、その必要性を探ってみたいと思います。音楽を継続的に学び、それを日常の習慣として定着させることの大切さを一緒に考えてみませんか?
2. 習慣の形成とは?
人は一度覚えたことや経験したことを、何度も繰り返すことでそれが「習慣」として定着するようになります。たとえば、自転車の乗り方を覚えた子供は、最初はバランスをとるのに苦労しますが、繰り返し乗るうちに自然とバランスを取ることができるようになります。最終的には、自転車に乗ることが「第二の歩き方」として身体に染み込むのです。
この背後には、脳の神経回路が関与しています。繰り返し行われる行動や思考は、脳の中で新しい神経回路を形成します。そしてその神経回路が強化されることで、その行動や思考が自動的に行われるようになります。このメカニズムは私たちが何か新しいことを学ぶ際に非常に重要です。例としてピアノの弾き方を覚える時、最初はどの指をどう動かすのか、とても意識的に考えながら弾きます。しかし、何度も繰り返すことで、指の動きが自動的になり、曲を弾くことができるようになるのです。
これが習慣の力。日常の小さな習慣から、特定のスキルを身につけるための習慣まで、私たちはこの神経回路の形成と強化を通じて、さまざまなことを学び、それを継続しています。
3. 音楽と習慣の関連性
音楽の学びの中で、歌やコーラスは独自の魅力と挑戦を持っています。歌声を響かせることは、生まれ持った楽器、すなわち「声」を使うことから、非常に直感的なものと言えるでしょう。しかし、その声をコントロールし、意図したメロディーやリズム、表現を実現することは、日々の練習と継続的な努力を必要とします。
この過程も、習慣の形成が鍵となります。たとえば、コーラスの中でハーモニーを取る練習をする際、最初は他のパートの声に引き込まれてしまい、自分のパートを歌うのが難しいかもしれません。しかし、何度も繰り返し練習することで、自分のパートを確実に歌えるようになり、他の声との調和も自然に取れるようになるでしょう。
また、歌のフレージングや発声の技術も、日常的な練習を積み重ねることで身につけることができます。最初は呼吸のタイミングや声の出し方に苦労するかもしれませんが、毎日の基本練習を通じて、これらの技術は自然に体に染み込んでいくのです。
歌やコーラスの学びの中で、習慣的な練習や取り組みがいかに重要であるかを実感することでしょう。継続的な努力が、美しい歌声やハーモニーを生み出すための「習慣」として体に定着するのです。そして、この習慣の力を利用して、さらに高みを目指すことが可能となります。
4. 継続の力: 習慣化のメリット
「継続は力なり」とよく言われますが、それは習慣化の過程を通じて得られる多くのメリットを指しています。継続的に何かを行うと、その行動が次第に努力を要しない「習慣」として体に染み込みます。この現象は歌やコーラスの練習においても明確に見られます。
例えば、コーラスの中で特定の高音を出すことが難しいと感じるかもしれません。しかし、毎日の声の練習を継続することで、その高音を出すための筋肉や呼吸法が自然と身につくようになります。初めは意識的に「このように息を吸って、この位置で声を出す」と考えながら歌っていたことが、習慣化することで自然とできるようになるのです。
これらの例から、習慣化のメリットとして「努力を要しない自動的な動き」や「技術の向上」を得ることができることがわかります。歌やコーラスにおける継続的な練習は、単に技術を向上させるだけでなく、表現の幅や楽しさを増加させる重要な要素とも言えるのです。
5. 音楽教室での継続的な学びとその効果
サティマイでは、音楽、特に歌を身近なものとして日常に取り入れることを目指しています。生徒さんたちが音楽を習慣として身につけることを重視し、それを実現するための様々なプログラムや方法を取り入れています。
例えば、毎週のレッスンでは、基本的な発声練習から始め、特定の曲に対する表現方法や発声のポイントを学ぶ時間を設けています。この定期的な練習を通じて、生徒たちは日常的に声を出すことの重要性や、その方法を体で覚えていきます。
さらに、数か月に一度の発表会を開催して、生徒たちが学んだ曲を他の生徒やお客さんの前で披露する機会を設けています。このような実際のパフォーマンスを通じて、生徒たちは舞台上でのプレゼンスや自分の声を如何に伝えるか、という実践的なスキルを習得していきます。
また、教室では季節ごとのイベントやワークショップを開催。例えば夏には夏を感じさせる歌、冬にはクリスマスソングなどの季節に寄せたカリキュラムを設けることで、生徒たちがその季節感を感じながら歌を楽しむことができるようにしています。
これらの取り組みを通じて、サティマイの生徒さんたちは、歌をただの「習い事」としてではなく、日常の中での楽しみや表現手段として確実に身につけていきます。継続的な学びがもたらす効果は、技術の向上だけでなく、自分の感情や考えを音楽を通じて伝える力にも繋がっているのです。
6. 習慣を育てるためのヒント
日々の歌の練習を習慣化するためには、いくつかの戦略が役立ちます。以下は、練習を習慣として身につけるための具体的なヒントです。
- 毎日決まった時間に練習する
一日の中で特定の時間を練習のために確保することが大切です。例えば、毎朝起きたらまず10分間の発声練習を行う、夕食後のリラックスタイムに一曲歌うなど、日常のルーチンに組み込むことが習慣化の鍵となります。 - 練習の目標を設定する
何のために練習するのか明確な目標を持つことで、モチベーションの維持や効果的な練習が可能となります。例えば、次の発表会で特定の曲を完璧に歌いたい、ある高音を綺麗に出せるようになりたいなど、具体的な目標を設定しましょう。 - 練習のログを取る
毎日の練習内容やその時の感想、改善点などを記録することで、自分の進歩を実感することができます。これはモチベーションの向上にも繋がります。 - 練習仲間を持つ
一緒に練習する仲間がいると、お互いを励まし合ったり、新しいアイディアや方法を共有できるので、練習がより楽しく、効果的になります。 - 定期的なフィードバックを求める
教室の先生や経験者からのアドバイスを定期的に受け取ることで、練習の方向性を見失わずに、的確にスキルアップを図ることができます。
歌の練習を習慣化するためには、これらのヒントを日常に取り入れることが重要です。継続的に練習を行い、日々の進歩を楽しむことで、歌の上達だけでなく、音楽をより深く楽しむことができるようになります。
サティマイのメンバーへ
いつも言ってることですが、音楽の練習は大抵の場合、10打数1安打くらいの確率でしか良い結果は出ません。しかし、結果的には失敗である9割の経験値があなたの成長へと繋がっていることを忘れないでください。継続することで得られるものは計り知れません。あなたの声がより響き渡るように、あなたの表現がさらに深まるように、日々の練習の積み重ねが必要です。
そして、私たち教室スタッフ全員は、生徒の皆様ひとりひとりが持っている無限の可能性を信じています。皆様の成功、そして音楽を通じた喜びや成果を心から楽しみにしております。
最後に、どんな小さな進歩も、それはあなたの努力の賜物です。その努力を継続してください。私たちは皆様の音楽の旅において、最高のサポートを提供し続けます。これからも一緒に、音楽の美しい世界を探求していきましょう。
投稿者
kingbee33@gmail.com