Hold to God’s Unchanging Hand / Chicago Mass Choir
伝統的な讃美歌のコンテンポラリー・アレンジ
Chicago Mass Choirが歌う「Hold to God’s Unchanging Hand」は、20世紀初頭に作られた伝統的な賛美歌(Traditional Hymn)を、力強いコンテンポラリー・トラディショナルなゴスペルクワイア形式へと再解釈・リアレンジした作品です。
原曲の作者と誕生背景
- 作詞:Jennie Evelyn Hussey(ジェニー・エヴリン・ハッシー、1874–1958)
- アメリカ・ニューハンプシャー州出身の熱心なクエーカー教徒で詩人。
- 重い関節炎などの慢性疾患に苦しみながら、寝たきりの姉を介護する過酷な生活の中で生涯を過ごしました。自身の肉体的な苦痛や困難の中で、「目に見えるこの世のものはすべて移ろい消えていくが、神の変わらない手(御手)にだけはすがっていよう」という信仰の拠り所を詩にしたためました。これが150曲以上残した彼女の賛美歌の中でも最も代表的な作品となります。
- 作曲:Franklin L. Eiland(フランクリン・L・アイランド、1860–1909)
- テキサス州出身の作曲家・音楽教育者・出版者。
- 南部のシェイプノート(形符譜)歌唱の伝統や福音唱歌(Gospel Hymn)の普及に大きく貢献した人物です。1904年頃、ハッシーの詩に親しみやすく温かみのあるメロディとコーラス(リフレイン)を付け、1905年または1906年に賛美歌集へ収録されて世に広まりました。
ブラック・ゴスペルにおける受容と歴史
元々は白人の会衆向けに出版された福音唱歌でしたが、20世紀前半のブラック・チャーチ(アフリカ系アメリカ人の教会)に深く浸透していきました。
- 伝統的なブラック・ゴスペルへの昇華 移ろいやすい世の苦難(病、差別、貧困)に抗い、「決して変わらない神の手を握りしめ続ける」というメッセージは、黒人教会の会衆にとって切実な希望の歌となりました。テンポを揺らし、コール&レスポンスやブルースフィーリング、シャッフルビートを取り入れたスタイルで定着します。
- 有名アーティストによるカバー Chicago Mass Choir以前にも、多くのレジェンドがこの曲を取り上げています。
- Mahalia Jackson(マヘリア・ジャクソン)による重厚なトラディショナル・スタイル
- Rev. James Clevelandやカルテットグループによる力強い演奏
Chicago Mass Choirによるリアレンジの特徴
Chicago Mass Choirのバージョンは、この古い讃美歌の普遍的なメッセージを活かしつつ、彼ららしいダイナミックなモダン・マス・クワイア・サウンドへと昇華させています。
- ドライブ感のあるグルーヴ:原曲の牧歌的な讃美歌のリズムから一転し、アップテンポで跳ねるようなゴスペル・シャッフル/ドライビング・ビートを土台に構成されています。
- ソロとクワイアの熱い掛け合い:パワフルなリードボーカルのアドリブ(ヴァンピング)に対し、クワイアが分厚いハーモニーで何度もタイトルのフレーズを繰り返す、シカゴ・ゴスペルの王道スタイルです。
- 古き良きメッセージの継承:100年以上前の讃美歌でありながら、現代の会衆やリスナーが手拍子とともに一体となって盛り上がれる「祝祭(セレブレーション)」のアンセムとして見事に焼き直されています。
しかし、このPVのダサさは異常やな。いつもみたいにライブ映像でええやろ・・・。
ちなみに僕はこのヴァージョンで昔歌ってました。
歌詞和訳&聖書照会
Time is filled with swift transition
Not of earth unmoved can stand
時は、めまぐるしい変化に満ちている。
この地上に、何ひとつ変わらずにいられるものはない。
コリント人への第二の手紙 4章18節(抜粋)
“For the things which are seen are temporal; but the things which are not seen are eternal.”
「見えるものは一時的であり、見えないものは永遠につづくのである。」
Build your hopes on things eternal
And hold to God’s unchanging hand
永遠に続くものに、あなたの希望の土台を置こう。
そして、変わることのない神の御手を、しっかり握っていよう。
イザヤ書 41章13節(抜粋)
“Fear not; I will help thee.”
「恐れてはならない、わたしはあなたを助ける」。この節では、神が「あなたの右の手をとって」語りかける姿が描かれています。
この一節は、「変わり続ける毎日の中にも、変わらずに頼れる支えがある」という励ましです。暮らしや人間関係、体力や自分の役割など、私たちを取り巻くものは少しずつ変わっていきます。大切にしていたものが変われば、不安になったり、心細くなったりすることもあります。そんなときにも、神の愛と約束に希望を置こうと、この歌は呼びかけています。
“Build your hopes” は、希望の土台を築くような表現です。今うまくいっているかどうかだけで、自分の未来を決めてしまわず、その先にも続く神の支えを信じる。そして “Hold to God’s unchanging hand” は、その神の手を信頼して握っていよう、という意味です。
聖書には、神の側からも私たちの手を取ってくださる姿が描かれています。「あなたを支えてくださる方がいる。その手を信頼して、今日を歩んでいこう」という温かな気持ちを込めて歌える箇所です。
Trust in Him who will not leave you
Whatsoever the years may bring
あなたを見捨てることのない主を信頼しよう。
これからの年月が、どんな出来事をもたらしても。
ヘブル人への手紙 13章5節(抜粋)
“I will never leave thee, nor forsake thee.”
「わたしは、決してあなたを離れず、あなたを捨てない」。
When your earthly friends forsake you
Still more closely to Him cling.
この世の友が、あなたを見捨てるときにも、
なおいっそう、主にしっかりとすがっていよう。
詩篇 27篇10節
“When my father and my mother forsake me, then the LORD will take me up.”
「たとい父母がわたしを捨てても、主がわたしを迎えられるであろう」。
この一節は、先の見えない人生や、人とのつながりが失われる悲しみの中でも、主はあなたを見捨てないと励ましています。“Whatsever the years may bring” には、これから先、喜びだけでなく、思いがけない変化や別れが訪れたとしても、という広がりがあります。何が起こるか分からない未来を、変わらず共にいてくださる主への信頼に託す言葉です。
後半では、友に見捨てられるという、心の痛む場面が描かれます。信頼していた人が離れていくと、自分の価値まで失ったように感じることがあります。しかし、人が離れたからといって、神にとってのあなたの大切さまで変わるわけではありません。
“Cling” は、離れないようにしっかりつかまること。“Still more closely” には、「そんなときこそ、いっそう主のそばに」という思いが込められています。悲しみを無理に隠さず、その気持ちごと主に預けていい。ひとりで抱え込まず、主の支えを求めていい。そのような信頼を込めて歌える箇所です。
Satisfy My Soul 東京(江古田・御徒町・中野・高田馬場・初台)
Satisfy My Soul 中部(名古屋新栄・鶴舞)

投稿者
kingbee33@gmail.com
関連記事
He’ll make it alright / Rev. Milton Brunson & The Thompson Community Singers
詩篇40をベースに主への信頼を全身の躍動感で...
すべて読む