SOFTLY AND TENDERLY / TRAD. GOSPEL
カントリー・ゴスペル、不朽の名作
「Softly and Tenderly (Jesus Is Calling)」は、19世紀後半に作られた伝統的なキリスト教の賛美歌・ゴスペル・ソングです。
迷いや疲れ、罪悪感を抱える人々に対し、イエス・キリストが「優しく、穏やかに(Softly and tenderly)家へおいで」と呼びかけている招き(インビテーション)の歌。日本の賛美歌・聖歌集では『やさしくもあたたかくイェスはよびたまう』や『やすけき み恵みに』という題名で歌われています。
カントリーやゴスペル、フォークのアーティストによって数多く歌い継がれており、Alan Jacksonのアルバム『Precious Memories』(2006年・・トラディショナル・ゴスペルを学びたい方にはおすすめのアルバムです。Spotifyでも聴けます。)のほか、エルヴィス・プレスリー、ジョニー・キャッシュ、アン・マレー、キャリー・アンダーウッドなど多数のミュージシャンが録音しています。
歌詞和訳&聖書照会
Softly and tenderly Jesus is calling / Calling for you and for me
やさしく、穏やかにイエスは呼びかけている/あなたにも、私にも呼びかけている
マタイによる福音書 11:28
“Come unto me, all ye that labour and are heavy laden, and I will give you rest.”
「すべて重荷を負うて苦労している者は、わたしのもとにきなさい。あなたがたを休ませてあげよう。」
ヨハネによる福音書 10:3
“…he calleth his own sheep by name, and leadeth them out.”
「彼は自分の羊の名をよんで連れ出す。」
この冒頭は、イエスが人を無理に引っ張るのではなく、「わたしのもとに来なさい」と招いている聖書のイメージとよく重なります。“for you and for me” は、その呼びかけが特別な人だけでなく、一人ひとりに向けられている、という歌のメッセージですね。
See, on the portals, He’s waiting and watching / Watching for you and for me
見てください、門のところでイエスは待ち、見守っている/あなたと私を待ちながら、見守っている
ルカによる福音書 15:20
“…when he was yet a great way off, his father saw him, and had compassion…”
「まだ遠く離れていたのに、父は彼をみとめ、哀れに思って…」
ヨハネの黙示録 3:20
“Behold, I stand at the door, and knock…”
「見よ、わたしは戸の外に立って、たたいている。」
この部分の “waiting and watching” は、特に「放蕩息子」のたとえを思わせます。家を離れた息子がまだ遠くにいるうちから、父親は彼を見つけて迎えに走ります。歌詞ではそれが、イエスが帰ってくる人を待っている姿として表現されています。
また “portals” は直訳すると「門・入口」。特定の一節をそのまま引用しているというより、聖書に繰り返し登場する「戸口に立って招くキリスト」「帰ってくる者を待つ父」というイメージを組み合わせた表現と考えると分かりやすいです。
このVerse全体では、「イエスはあなたを責めながら待っているのではなく、帰って来られるように優しく呼び続けている」というテーマが中心になっています。これは、このあと有名なリフレイン “Come home, come home…” へ自然につながっていきます。
Come home, come home / Ye who are weary come home
帰っておいで、帰っておいで/疲れている者よ、帰っておいで
マタイによる福音書 11:28
“Come unto me, all ye that labour and are heavy laden, and I will give you rest.”
「すべて重荷を負うて苦労している者は、わたしのもとにきなさい。あなたがたを休ませてあげよう。」
ルカによる福音書 15:18–20
“I will arise and go to my father…”
「立って、父のところへ帰って…」そして父は、帰って来た息子を迎え入れます。
ここでの “Come home” は、単に家に帰るという意味ではなく、神のもとへ帰るという霊的な意味で歌われています。特に「放蕩息子」のたとえが背景としてよく合います。自分の道を歩んで疲れた人に対して、「もう戻れない」ではなく、「帰っておいで」と呼びかけているイメージです。
Earnestly, tenderly, Jesus is calling / Calling, “O sinner, come home!”
心を込めて、やさしく、イエスは呼びかけている/「罪びとよ、帰っておいで」と呼びかけている
ルカによる福音書 5:32
“I came not to call the righteous, but sinners to repentance.”
「わたしがきたのは、義人を招くためではなく、罪人を招いて悔い改めさせるためである。」
ルカによる福音書 19:10
“For the Son of man is come to seek and to save that which was lost.”
「人の子がきたのは、失われたものを尋ね出して救うためである。」
“O sinner” の sinner は「特別に悪い人」というより、聖書では広く神から離れている人間を表す言葉です。そのため、この歌詞は誰かを非難するというより、迷った人に向かってイエスが “come home” と招いている感じです。
このコーラス全体では、疲れている人、迷っている人、神から離れていると感じる人に対する「帰っておいで」という招きが繰り返されています。特に earnestly は「真剣に、切実に」、tenderly は「優しく、愛情深く」というニュアンスなので、厳しい叱責よりも、切実さと優しさを伴う呼びかけとして歌われているのがポイントです。
O for the wonderful love He has promised / Promised for you and for me
ああ、なんと素晴らしい愛を主は約束してくださったことか/あなたにも、私にも約束された愛
ヨハネによる福音書 3:16
“For God so loved the world, that he gave his only begotten Son…”
「神はそのひとり子を賜わったほどに、この世を愛して下さった。」
ローマ人への手紙 5:8
“But God commendeth his love toward us, in that, while we were yet sinners, Christ died for us.”
「しかし、まだ罪人であった時、わたしたちのためにキリストが死んで下さったことによって、神はわたしたちに対する愛を示されたのである。」
ここで歌われる “wonderful love” は、条件を満たした人だけに与えられる愛ではなく、罪のある人間にまで向けられる神の愛です。続く “for you and for me” によって、その愛が抽象的なものではなく、「あなたにも、私にも向けられている」という個人的な招きとして強調されています。
Though we have sinned He has mercy and pardon / Pardon for you and for me
私たちは罪を犯してきたけれど、主にはあわれみと赦しがある/あなたにも、私にも与えられる赦し
ヨハネの第一の手紙 1:9
“If we confess our sins, he is faithful and just to forgive us our sins…”
「もし、わたしたちが自分の罪を告白するならば、神は真実で正しいかたであるから、その罪をゆるし…」
イザヤ書 55:7
“…let him return unto the LORD, and he will have mercy upon him; and to our God, for he will abundantly pardon.”
「主に帰れ、そうすれば、主は彼をあわれまれる。われわれの神に帰れ、主は豊かにゆるしを与えられる。」
エペソ人への手紙 1:7
“In whom we have redemption through his blood, the forgiveness of sins…”
「わたしたちは、御子にあって、その血によるあがない、すなわち、罪過のゆるしを受けているのである。」
このVerseでは、それまでの “Come home” という招きに対して、「でも自分には罪があるから帰れない」と感じる人への答えが示されています。歌詞は “Though we have sinned” と罪の存在をごまかさずに認めながら、その直後に “mercy and pardon” —「あわれみと赦し」 があると歌います。
特に pardon は、単に「気にしなくていい」という意味ではなく、罪を赦して関係を回復することを表す言葉です。つまりこの部分は、前のコーラスの “O sinner, come home!” をさらに説明していて、「罪がないから帰れる」のではなく、「赦しがあるから帰ることができる」という、この賛美歌の中心的なメッセージにつながっています。
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投稿者
kingbee33@gmail.com
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