日本で有名なGospel曲として「アメージング・グレイス」とともに挙げられるのが、「Oh Happy Day」ではないかと思います。
映画「天使にラブソングを2」はウーピー・ゴールドバーグ演ずるデロリスが、荒廃した学校の生徒たちに歌う喜びを教え、学校の危機を救うという説明不要の大ヒット作。その挿入歌で、ゴスペルの合唱を習い始めた生徒たちがはじめてその練習成果を披露する場面で使われました。
この映画がヒットする以前、1968年にEdwin Hawkins によって発表された「Oh Happy Day」はビルボードのHot100で最高位第4位を記録する大ヒットとなりました。黒人の歌うゴスペル曲がビルボードの総合チャートで10位以内に入るということは大事件であり、世界中にブラック・ゴスペルを認知させるきっかけともなりました。(ちなみにその30年後、このエドウィンの記録を塗り替えたのがカーク・フランクリンのGod’s Propertyでした。)
さてこの「Oh Happy Day」ですが、もともとは18世紀初頭に作られた讃美歌がモチーフだそうです。
「主イエスを知りたる うれしき この日や いやしき 身をさえ すくわせ たまえり
きみに むつぶ この日ぞ うれしき うれしき この日や うれしき この日や
きみに むつぶ この日や うれしき」
この讃美歌にもルーツがあり、それは聖書の「コリント人への第二の手紙 6-2」だと言われています。
6:2 | なぜなら、彼は言われるからです、「受け入れられる時に、わたしはあなたに聞き、救いの日に、わたしはあなたを助けた」。見よ、今は喜んで受け入れられる時です.見よ、今は救いの日です。 |
この歌は「主イエスとの出会い」により、自分の中の「求め続ける心=欲」が生み出す様々な縛りから解放された「ハッピー」を歌っています。自分にとって都合のいいものを得た時が「ラッキー」だとしたら、そういうものを求めなくてもすでに満たされている幸せな状態こそが「ハッピー」なのではないかと思います。
「何かをあらたに得る」のではなく、「求め続ける心」を洗い流されたことで満たされた新しい心。
そういう意味では、多くの生徒さんが単純に「この曲は楽しい!スカッとするから大好き!」という感想を持つことは「大正解」なのかもしれませんね。シンプルに満たされてんですから。