信仰を貫いた者に与えられる冠

ゴスペルで歌われる “crown(冠)” は、王様のような地位やこの世での成功を意味するというより、苦しみや試練の中でも信仰を守った人に、最後に神から与えられる報いを象徴しています。

ですから “I Shall Wear a Crown” という言葉には、「今は苦しくても、最後には神の前で喜びと報いを受ける」という、ブラック・ゴスペルで特に大切にされてきた希望のメッセージがあります。

歌詞和訳&聖書照会

Watch ye, therefore, you know not the day / When the Lord shall call your soul away
だから目を覚ましていなさい。主がいつあなたの魂を召されるのか、その日をあなたは知らないのだから。

Matthew 24:42
“Watch therefore: for ye know not what hour your Lord doth come.”
「だから、目をさましていなさい。あなたがたの主がいつ来られるか、わからないからである。」

Matthew 24:44
“Therefore be ye also ready: for in such an hour as ye think not the Son of man cometh.”
「だから、あなたがたも用意をしていなさい。思いがけない時に人の子が来るからである。」

ここはイエスが弟子たちに語った、“Watch”=目を覚ましていなさいという教えが土台になっています。

歌詞の “you know not the day” は、「死ぬ日を知らない」という意味にも聞こえますが、聖書の元の文脈では特に、主がいつ来られるかは人には分からないという終末的な教えです。

ゴスペルではそれがしばしば、「いつ神に召されてもよいように生きる」という個人的なメッセージとして歌われます。つまり恐怖を煽るというより、「今をどう生きるか」が強調されています。


If you labor, strivin’ for the right / You shall wear a robe and crown
正しい道を求めて働き、懸命に歩み続けるなら、あなたは衣をまとい、冠をかぶるでしょう。

2 Timothy 4:7–8
“I have fought a good fight, I have finished my course, I have kept the faith: Henceforth there is laid up for me a crown of righteousness…”
「わたしは戦いをりっぱに戦いぬき、走るべき行程を走りつくし、信仰を守りとおした。今や、義の冠がわたしを待っているばかりである。」

Revelation 7:9
“A great multitude… clothed with white robes, and palms in their hands.”
「見よ、あらゆる国民、部族、民族、国語のうちから、数えきれないほどの大ぜいの群衆が、白い衣を身にまとい……立っていた。」

James 1:12
“Blessed is the man that endureth temptation… he shall receive the crown of life.”
「試錬を耐え忍ぶ人は、さいわいである……いのちの冠を受けるであろう。」

“labor, strivin’ for the right” は、「善いことをたくさんすれば天国に行ける」という単純な功績主義というより、困難の中でも正しい道を選び、信仰を最後まで守り続ける姿を表していると読むのが自然です。

そして “a robe and crown” は、二つの聖書的な象徴を一つにしています。

robe(衣) は、黙示録に登場する白い衣を思わせます。これは救われた者、清められた者、神の前に立つ者の姿として描かれます。一方の crown(冠) は、競争や戦いを最後まで走り抜いた者に与えられる勝利・報い・永遠の命の象徴です。

ですから、この部分全体を自然な日本語でまとめるなら、

「いつ主に召されるかは誰にも分からない。だから目を覚まし、正しい道を歩み続けなさい。最後まで歩み抜いた先には、神から与えられる衣と冠が待っている。」というメッセージになります。

特に “robe and crown” は、この曲の重要なキーワードですね。単なる「豪華な服と王冠」ではなく、苦難の後に神の前で与えられる勝利と栄光を歌っている、と考えるとゴスペルとしての意味がかなり見えてきます。


I shall wear a crown / When the trumpet sounds / I’m gonna wear a crown / I shall wear a robe and crown
私は冠をかぶるでしょう。/ラッパが鳴るその時に。/私は冠をかぶるのです。/私は衣と冠を受けるでしょう。

1 Corinthians 15:52

“In a moment, in the twinkling of an eye, at the last trump: for the trumpet shall sound…”
「またたくまに、一瞬にして、最後のラッパが響いて起るのである。そのラッパが響いて、死人は朽ちない者によみがえらされ、わたしたちは変えられるのである。」
― コリント人への第一の手紙 15:52

1 Thessalonians 4:16

“For the Lord himself shall descend from heaven with a shout… with the trump of God…”
「すなわち、合図の号令がかかり、御使のかしらの声がし、神のラッパが響いて、主ご自身が天から下ってこられる。」
― テサロニケ人への第一の手紙 4:16

Revelation 7:9

“…a great multitude… clothed with white robes…”
「その後、わたしが見ていると、見よ、あらゆる国民、部族、民族、国語のうちから、数えきれないほどの大ぜいの群衆が、白い衣を身にまとい…御座の前と小羊の前に立っていた。」
― ヨハネの黙示録 7:9

Revelation 2:10

“Be thou faithful unto death, and I will give thee a crown of life.”
「死に至るまで忠実であれ。そうすれば、いのちの冠を与えよう。」
― ヨハネの黙示録 2:10


このコーラスの中心にあるのは、未来への希望をすでに確信して歌っているところです。

“I shall wear a crown” は、ただ「いつか良いことがある」という曖昧な願いではなく、聖書にある義の冠いのちの冠という約束に基づいた表現です。信仰を守り抜いた者に、神が最終的に与えてくださる報いと栄光を表しています。

そして “When the trumpet sounds” は、聖書の終末のイメージにとても深く結びついています。
新約聖書では、神のラッパは主の到来、死者の復活、そして神の救いの完成を知らせるしるしとして描かれています。なのでこの歌詞は、「その時が来たら私は取り残されない、神の約束にあずかる」という喜びの宣言になっています。

最後の “robe and crown” は、ゴスペルらしい非常に美しい組み合わせです。
robe(衣) は、黙示録に出てくる白い衣を思わせ、救われた者・清められた者の姿を表します。
crown(冠) は、勝利・報い・永遠の命の象徴です。

つまりこのコーラス全体は、

「終わりの日、神のラッパが鳴るとき、私は主のものとして迎えられ、白い衣と冠を受ける」

という、信仰に満ちた喜びの告白なんですね。


Soon as my feet strike Zion / Lay down my heavy burden
私の足がシオンに着いたその時、重い荷を下ろす。

Hebrews 12:22
“But ye are come unto mount Sion, and unto the city of the living God, the heavenly Jerusalem…”
「しかしあなたがたが近づいているのは、シオンの山、生ける神の都、天にあるエルサレム…である。」

Matthew 11:28
“Come unto me, all ye that labour and are heavy laden, and I will give you rest.”
「すべて重荷を負うて苦労している者は、わたしのもとにきなさい。あなたがたを休ませてあげよう。」

ここでの Zion(シオン) は、単なる地名というより、ゴスペルではしばしば天のエルサレム、神のもとにある最終的な安息の場所を表します。

“Lay down my heavy burden” は、地上で背負ってきた苦労、悲しみ、試練から解放されるイメージです。特にアフリカ系アメリカ人の霊歌や伝統的ゴスペルでは、burden(重荷) は個人的な悩みだけでなく、人生の苦難そのものを象徴する重要な言葉でもあります。


Gonna put on my robe in glory / Shout and tell Him my story
栄光のうちで私の衣をまとい、喜び叫んで、主に私の物語を語る。

Revelation 7:13–14
“What are these which are arrayed in white robes?… These are they which came out of great tribulation…”
「白い衣を身にまとっているこの人々は、だれか…彼らは大きな患難をとおってきた人たちである。」

Isaiah 61:10
“He hath clothed me with the garments of salvation, he hath covered me with the robe of righteousness…”
「主がわたしに救の衣を着せ、義の上衣をまとわせてくださったからである。」

Psalm 107:2
“Let the redeemed of the LORD say so, whom he hath redeemed from the hand of the enemy.”
「主にあがなわれた者は言え。主は彼らを悩みからあがない…」

“robe in glory” は、黙示録の白い衣やイザヤ書の救いの衣・義の上衣につながる表現です。つまり「天国できれいな服を着る」というだけでなく、救われた者として神の前に立つことの象徴です。

“tell Him my story” は聖書の決まった一節をそのまま引用しているわけではありませんが、ゴスペルではとても自然な表現です。自分が通ってきた苦しみや、そこからどのように神に支えられたかを、最後には主ご自身に語るというイメージです。


Soon as I can see Jesus / Tell Him all about my trouble
イエスにお会いできたその時、私の苦しみのすべてを主に話す。

1 Corinthians 13:12
“For now we see through a glass, darkly; but then face to face…”
「わたしたちは、今は、鏡に映して見るようにおぼろげに見ている。しかしその時には、顔と顔とを合わせて、見るであろう。」

Revelation 21:4
“And God shall wipe away all tears from their eyes; and there shall be no more death, neither sorrow, nor crying…”
「人の目から涙を全くぬぐいとって下さる。もはや、死もなく、悲しみも、叫びも、痛みもない。」

ここで一番大切なのは “see Jesus” です。地上では信仰によって知っていたイエスを、最後には顔と顔を合わせるように見るという希望です。

そして “Tell Him all about my trouble” には、とても人間らしい感情があります。「こんなに大変だったんです」とイエスに全部話したい、という歌ですね。ただ黙示録21章のイメージを重ねると、その出会いは単に過去の苦しみを語る場ではなく、その苦しみがついに終わり、涙がぬぐわれる瞬間でもあります。


Put on my robe in glory / Shout and tell Him my story
栄光の衣をまとい、喜び叫んで、主に私の物語を語る。

同じ言葉が繰り返されることで、このブロック全体のゴールが強調されています。それは苦しみそのものではなく、苦しみを越えた後の喜びです。

この一節全体を流れとしてまとめると、

「天のシオンに着いたら、もう重荷を背負う必要はない。救いの衣をまとい、イエスにお会いし、これまで通ってきたすべてを主に語りながら喜び叫ぶ。」という内容です。

特にこの曲では、前の “robe and crown” が「天で受ける報い」を表していたのに対して、ここではさらに “burden → Zion → robe → Jesus” という流れになっていて、地上の苦難から天の安息へ移っていく情景がかなり鮮明に描かれています。


大阪市で大人向けゴスペル教室をお探しなら|サティマイ・ゴスペル【中津・梅田徒歩圏】

大阪市でゴスペル教室をお探しの方へ!「サティマイ・ゴスペル」は、阪急中津駅から徒歩3分・梅田からも徒歩10分のアクセス抜群な大人向けゴスペル教室です。初心者歓迎・楽譜が読めなくてもOK!テーマは「大人の部活」。幾つになっても熱中できることを始めませんか?経験・年齢問わず、誰でも本格的なブラックゴスペルの楽しさに触れられます。音楽経験ゼロでも安心のレッスンで、自分の声と心に向き合う時間を。大阪市内で習い事を探している方にぴったりの新しい居場所です。無料体験受付中!

投稿者

kingbee33@gmail.com

Satisfy My Soul(略してサティマイ)です。私達は2006年結成、関西(大阪/ 神戸/ 京都)、関東(東京)、中部(名古屋栄)、九州(福岡博多)の4拠点で活動するゴスペル教室です。 コンセプトは「大人の部活」歌い方を教えてもらうだけでなく「自分がどう歌いたいのか?」自分の力で少しずつ掘り下げていきます。 大人になった今だからこそ夢中になれるものが欲しい!!そう思うあなたにぴったりのゴスペルスクールです。 ♪サティマイとは?→プロフィール ♪講師紹介→講師プロフィール ♪無料体験レッスン→申し込みフォーム ♪お問い合わせはこちら ♪お電話でのお問い合わせは→0120-949-386

関連記事

ゴスペルは、歌詞を知ったところから始まる。

1. サティマイが、まず歌詞を読む理由 ゴス...

すべて読む

Highway to heaven / Traditional Gospel

トーマス・A・ドーシーの代表曲の一つ 『Hi...

すべて読む

CALLING ON YOU / CHICAGO MASS CHOIR

街の暴力と不安のなかで、神に助けを求めるゴス...

すべて読む

SOFTLY AND TENDERLY / TRAD. GOSPEL

カントリー・ゴスペル、不朽の名作 「Soft...

すべて読む