映画に出てくるゴスペル名場面


昔は映画から大切なことをたくさん学んだ。

いまはYoutubeというものが普及して、いろんな映像が簡単に観れる時代になりましたが、僕がゴスペルを始めたころはゴスペルの映像といえばVHSのビデオが主流でした。

左の写真は「Say Amen, Somebody(邦題はマザー)」。ゴスペルの父トーマス・ドーシーとゴスペルの母ウィリー・メイ・フォード・スミスを中心としたドキュメンタリー映画で、情報が乏しい時代においては本当に貴重な資料映像でした。

他にも映像としてはI’m available to You の名演で有名なシカゴのミルトン・ブランソン&トンプソン・コミュニティ・シンガーズのライブなどがありましたが、とにかくそのころの輸入VHSは値段が高かった。

なので誰かがどこかで手に入れた輸入VHSの複製の複製の複製みたいな、人の顔さえはっきりしないほど劣化したものを宝物のように大事にしていました。そんな時代だったからこそ、映画に出てくる教会の聖歌隊が歌う場面なんかも食い入るように見た記憶があります。

映画の中で教会が出てくる場面は、ストーリーにもよりますがよくあるのが「道を外れた主人公がもう一度自分を取り戻し再起する」という場面だったりします。キリスト教社会において神に背を向ける行為であったり、人の道から外れるのは過度の飲酒やドラッグ、家庭内暴力などであり、教会という場所はそれを悔い改める場所、帰るべき場所になります。映画の中でもそのような展開で主人公が教会で立ち直る場面がよくあり、キリスト教社会にあまりなじみのない日本にいる私たちは、映画の中でそのような背景を学びました。

これは僕の大好きな映画「FIVE HEARTBEATS」のラストの場面です。テンプテーションズをモデルにした映画ですが、リード・シンガーだったエディがグループが売れてスターになったあと、ドラッグと酒におぼれてグループを解雇されます。

その後行方知れずだったのですが、主人公のダックが久しぶりにティコの教会に呼ばれて行ってみると、そこには見事に立ち直って自分を取り戻したエディがクワイアで歌う姿が・・・。

めちゃめちゃ感動の場面です。DVDが出てないのが本当に残念。

次は超有名な場面。当時サタデイ・ナイト・ライブで超売れっ子だったコメディアン、ジョン・ベルーシとダン・エイクロイドが番組内で結成したブルース・ユニット「ザ・ブルース・ブラザーズ」がバカ売れして映画化されました。その中の一場面。

ブルース兄弟が幼少期を過ごした孤児院が閉鎖の危機に直面し、どうにかしたいと途方に暮れていた時、彼らはある教会に行けば必ずヒントが見つかると助言され行ってみたら・・・という場面です。

御大ジェームス・ブラウンが歌うOLD LANDMARK。さりげなくクワイア・リード女性はシャカ・カーンだったりします。

こんなマイナーなゴスペル教室のブログを見つけて読んでおられる方に、この映画の解説など不必要だとは思いますが、スペースの都合上一応書いておきますね。映画「天使にラブ・ソングを」の一場面です。

ウーピー・ゴールドバーグ主演のコメディですが、一作目ではまじめなカトリック修道女たちに、続編「天使にラブ・ソングを2」では廃校予定の学校を救うためにゴスペルなんて歌ったことのない生徒に歌わせます。

このやったことない人が歌うことの楽しさ、すばらしさを知るという設定から、日本にゴスペル教室のブームを作った作品です。

 

日本では劇場未公開でしたが、なんせサウンド・トラックがめっちゃいいので紹介します。Kingdom Come(邦題はカモン・ヘブン)。先ほど紹介した「天ラブ」のウーピー・ゴールドバーグがこの映画でも活躍しています。でも注目すべき主役はラッパーのLL・クール・ジェイ。当時ものすごい人気でした。ベビーフェイスがプロデュースしたトニ・ブラクストンも出演していますが歌ってません。(めちゃもったいない)

ラスト・シーンでのシャリース役のジェイダ・ピンケット・スミスが教会で歌うシーンがとても良いです。サントラの総合プロデュースはカーク・フランクリン。

映画の中のゴスペル・シーンってかっこいい感動的なものもまああるんですけど、そういうのに出会うためにがんばって探せば探すほど、むっちゃくだらないストーリーの作品にぶち当たるリスクも上がります。

この映画は「Big momma’s House」はほんまにくだらないB級コメディですが、先のKINGDOME COMEで牧師をやってたセドリック・ジ・エンターテイナーがこの映画でも牧師をやってます。

教会シーンってこんな感じで茶化される場面が多いですが、ところどころに「あ、動きかっこいい」って思ってしまう僕が悲しい。

次の映画は邦題のつけ方が適当過ぎて笑けます。「悪党にもラブ・ソングを(原題The First Sunday)」(笑)先のKingdome Comeの主役はLLクールJでしたが、こちらも主役はラッパーのアイス・キューブ。この人もめっちゃ売れてました。

教会の建て替え資金を狙った泥棒のコメディで、これもホーム・アローンほどは面白くなくて中途半端といえば中途半端なんですけど、こういう雑なB級映画って基本的に嫌いじゃないので。しかもクワイアの場面はそこそこかっこよかったりします。曲も大好きなThe Presence Of The Lord Is Hereですし。

さてお次はB級ではありません。この当時のホイットニー・ヒューストンとデンゼル・ワシントンですから超A級といっていいんじゃないでしょうか?「The Preacher’s Wife (邦題:天使の贈りもの)」

ホイットニーが大好きな人には彼女の歌チカラが存分に味わえる作品だと思います。単なる映画好きな人にはちょっと売れっ子歌手のプロモ的なご都合が見えてしまうんじゃないかな~と思うほど、牧師の妻、歌うますぎやろと思います。僕個人としては今回ワル役のグレゴリー・ハインズが大好きなのでこの映画は◎。

これは映画批評ではなくゴスペル名場面特集なので、ストーリー的なことをとやかく言うのはやめておこう・・・と何度も思ったのに黙ってられないほど脚本・キャスティングがひどすぎた。

ヘゼカイア・ウォーカー、ヨランダ・アダムス・フレッド・ハモンドなどそうそうたるゴスペル・スターが登場するということで日本ゴスペル界でも話題になりましたが、やはり観た人はみんな無口にならざるを得なかったんでしょうね。

映画の一場面にゴスペルが出てきたら、嬉しくて好意的に観てしまいますが「ゴスペル」っていうタイトルならばあのヨランダのパフォーマンスとかも不満です。はっきり言う。好きじゃない!

小さな町の聖歌隊がクワイアの全国大会「ジョイフル・ノイズ」での優勝を目指して・・・というよくあるお話。タイトルもそのまま「ジョイフル・ノイズ」

クワイア場面を選ぶならこの映画の中での一番人気は「Man In The Mirror」だと思いますが、あえてクイーン・ラティファが一人で歌う「Fix Me Jesus」を選ばせてもらいます。

主演のクイーン・ラティファは歌手としても役者としても大好き。「ラスト・ホリディ」というコメディは何度も観てます。しかし彼女、うちの親子ゴスペルの真由美先生そっくり!

最後はファイティング・テンプテーションズ。借金を抱える主人公キューバ・グッテンバーグJr.が叔母の遺産を相続する条件としてまたまたクワイアの全国大会に優勝すること・・・みたいな。ほんまに好きやなあ。この手のストーリー。何個あるんでしょう?

ヴィヨンセ、オージェイズのエディ・レヴァート、フェイス・エヴァンス、アンジー・ストーンなど見どころ満載ですが、なんといっても冒頭のシャーリー・シーザーとサウンズ・オブ・ブラックネスのアン・ネズビーによる「The Stone」が圧巻。そしておお!と盛り上がったら次の場面ではアン・ネズビーお亡くなりになるという展開にぶったまげました!

いかがでしたでしょうか?こうやって書きながらミレニアム前後のころを思い出し懐かしい気分に浸りました。

今と比べたら少し不便だったかもしれないけど、情報が少ない分、一つ一つの映像を何度も観てあーでもないこーでもないってみんなで研究していました。あの時代がいまのぼくを作ってくれていることは確かです。大切な思い出やな~。